腰痛でお悩みに方、筋膜から考える腰痛①

こんにちは。西宮市のよしやま鍼灸整骨院の吉山です。腰痛でお悩みの方は多いのではないでしょうか?当院も腰痛でお困りの方が多くご来院されます。『腰痛』と言いましても様々な原因がございますが今回は病名からではなく身体から見た腰痛を考えていきたいと思います。今回は最近よく耳にする「筋膜」から見た腰痛を考えていきましょう。

まず筋膜ってなんでしょうか?

私達、柔道整復師や鍼灸師は解剖学を学校で習います。その際、1つの筋肉に対してどこから始まってどこに付着し、関節をどのように動かすか?など1つ1つ単体で覚えていきます。しかし筋肉は筋膜で覆われていてそれぞれの筋肉が常に単体で動いているのではなく協調、連動し広い範囲で動作しています。現在はアメリカの徒手療法やトレーナーの中ではこのような考え方が主流ですね。

日本では一番有名なアナトミートレインでは筋膜のつながりをいくつかの線路に例えて紹介しています。これも鍼灸の経穴や経絡に酷似していてこれらを絡めて施術されている先生も多いと思います。

今回はわかりやすく身体の後面にあるスーパーフィッシャルバックライン/SBLと腰痛との関連について考えます。

テンセグリティとは?

まず筋膜について考える場合、テンセグリティについても触れておかなければなりません。

写真がテンセグリティ構造の模型です。Tensional(テンショナル=張力)とIntegrity(インテグリティー=統合)が一緒になった造語です。テンセグリティー構造の模型のゴムの部分が筋肉で、棒の部分が骨と考えて下さい。

この構造は、ゴム(筋肉)の張力が互いに統合して安定が成り立っています。棒(骨)は、スペーサーとしての働きをしています。張力が無く付着しているだけではバランスよく安定するのも難しそうですね。例えばこの模型のある一部分だけを押してみると、その部分だけにストレスがかかるのではなく構造全体に圧力を分散させます。更に脆弱な部分に集中してたわみが生じ張力のバランスが崩壊します。ここで重要なのは圧力や緊張が加わった部分ではなく離れた部分にも影響が出ている事です。

痛みとは別の場所に原因があるかも!?

全身の筋肉は筋膜で繋がっていて、テンセグリティ構造のゴムように互いに張力で効率よくバランスと取りながら成り立っています。身体もこのような構造で骨と筋肉が張力で互いに影響し合い骨格を安定させていると考えると上記で説明したテンセグリティ構造に似ています。例えば、ふくらはぎの筋肉が硬くなったとすればSBLに影響を及ぼし腰に痛みの症状として出てるかもしれません。更には足底や頭頂部まで何かしらの影響があってもおかしくないですね。この場合は腰に対処的な施術を施してもふくらはぎの影響ですぐに腰に症状が出てしまいます。しかも放置しておけば他の部分で代償運動や過度の牽引がかかったり・・・SBLだけではなく全身の様々な部分に影響が出てしまいます。鍼灸でも腰痛に対して足の経穴や患部以外を刺激して治ったり、足裏の筋肉をゴルフボールなどでコロコロして腰痛が緩和したりと実際にご経験されてる方もいらっしゃるかと思います。テンセグリティ構造のようにある部分に緊張や脆弱などがあれば違う部分に症状や痛みが出ている事も多々あると考えられます。ですので原因は痛い部分、症状のある部分に限らないと想像できますね。

テンセグリティを考慮した施術

実際には腰に何かしらの要因があって腰に症状が出ているケースも多々ありますので、これが原因の全てではありません。しかしこのようなタイプのような腰痛に関しては、SBLだけでなく筋膜の他のラインまで意識した施術は有効になります。もう一つ忘れていけないのはテンセグリティで棒の部分の骨と関節です。これは関節の歪みやズレの部分になります。骨と筋膜(筋肉)どちらに問題があるか?その影響をどちらが受けたか?どちらが先かというのは置いといて、お互いに重要であると考えています。ですので腰だけではなく身体全体を通してどこに問題があるかを判断して、検査してアプローチする事が重要です。


どんな事で筋膜バランスが崩れるんでしょうか?

・部分的な過度な筋緊張または脆弱

・怪我の履歴(代償運動など)

・悪い姿勢

・偏った動作のクセ

・スポーツの特異性・・・など

ポイントは動作や姿勢で偏った筋肉、骨格を使うことにありそうです。スポーツやなどでよくありそうですね。




予防、対処

最近では様々な筋膜リリースグッツが販売されていて、ご自身で筋膜に対してアプローチできますね。当院でもVYPERという機器を使用しております。気になる部分や筋緊張がある部分などに非常に有効だと思います。ストレッチも非常に有効ですのでとりあえずはSBLのストレッチをしてみるのもいいかもしれません。

筋膜を弛緩させる施術法

とは言え、筋肉や筋膜、骨の歪みがどうなっているか?はご自身では判断することは困難です。当院では患者様の状態を問診、検査、触診、動作などで筋膜(筋肉)と骨格アライメントの両方からアプローチできますので最も有効な施術方法を決定していきます。

筋膜にアプローチする場合は、導入した治療器で広範囲に深さもコントロールし通電する事で、狙った筋膜、筋肉をしっかり弛緩させることが可能です。その後、骨盤や各関節のアライメントを調整していきます。患者様一人一人緊張の状態は違いますのでその判断もお任せください。

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